毎年恒例となりました、年末の風物詩、張り子でつくる干支飾りのワークショップを今年も開催します。

一年の厄災を払ってくれると言われる干支飾り、来年は巳年(へび)ですね。

年の瀬も迫る慌ただしい日々が始まる前に、この日ばかりは少し落ち着いて、皆で手仕事に没頭しませんか。

関先生が作った絵付けのイメージ。とても愛嬌があります。

来年の干支はヘビですね。このヘビの張り子を半日かけて、自分の手でつくるワークショップです。

教えてくれるのは、小田島民芸所さん。岩手の花巻で60年以上に渡り、民芸品を作っている工房です。

張り子は型に紙を貼り付けて乾燥させ、背中を切って型を抜き取った後に、再度背中を貼り合わせ、絵付をして仕上げます。

乾燥工程があるため一日では終わらないため、型に紙を貼って乾燥させるところまでを小田島民芸所さんにお任せして、ワークショップでは原型から剥くところから始めます。

それにしても工程は午前2時間、午後2時間とたっぷり半日。

紙張りは簡単なように見えても実は繊細な作業。てならい堂的には難しかろうとそれ込みでの体験をしてみたい気持ちもあるのですが、出来上がりに差が大きく出ますので、ここは大人しくプロに任せましょう。

ここだけの話、プロから見るとやはり粗すぎる仕上がりはちょっと耐えられないそうで、笑

そうした気持ちも汲むことも、つくり手へのリスペクトだと思ってますので、皆さまにもご理解いただければ!

干支飾りを原型から剥がす様子。(一昨年開催の兎の型から剥がす写真)

岩手県花巻市の小田島民芸所は、今回講師である関恵子さんのご両親が始めた工房です。

「触れることであたたかみや懐かしさなど、心の琴線にまで響くそんな体験を民芸品を通して伝えていきたい」という素敵な想いで、60年以上に渡って温かな民芸品をその手から生み出してきました。

民芸品は、地域に根ざした民衆の暮らしの中で生まれた工芸品。かつて柳宗悦が主導した民藝運動を経て、今までも何度かのブームが巻き起こり、その度に価値が見直されてきましたよね。

民芸品は昔のままカタチを変えずに残っているものが多いですが、現代の生活に馴染まずに文化がなくなり、技術が途絶えてしまうことが多い中、小田島民芸所さんは、日々民芸品を現代に合う姿に表現して製作しています。

昔は、少し大きな干支飾りが人気でしたが、最近は少し小ぶりな大きさの干支飾りが玄関口などにも飾りやすく、人気なようです。
昔からの干支飾りを現代に合う形に日々改良を加えながら考えて製作されているところに、「続けていくことの本質」を、てならい堂は感じています。

講師の関さんに見てもらいながら、原型から型を抜きます。原型から抜いた型は、剥いたところが開いているので、中に重りを入れた後、和紙を接着剤で付けて形を固めていきます。

お好きな色味で、来年の干支飾りを仕上げて頂きます!

お好きな色味で、来年の干支飾りを仕上げて頂きます!

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毎年、干支飾りを作って十二支全てを並べてみるのも楽しいですね。

毎年のことですが、このワークショップのために、わざわざ花巻から来ていただきます。

そのため交通費がかかる分、このワークショップは少し値が張ってしまいます。ただ、もちろん個人の力でつくり手に来てもらって習うことはできないわけで、みんなで集まって習おうと思うから、関さんも来てくれます。

これって、てならい堂に同じ興味を持つ人たちが集まってきてくれているおかげなんですね。みなさんありがとうございます!ですので、せっかくの機会をお見逃しなく!

毎年集めたくなる可愛さです!

令和7年の干支「巳(へび)」は、豊穣や天気にまつわる神様として古くから庶民に浸透した存在です。脱皮を繰り返す姿は、不老長寿に繋がる縁起の良い存在とも考えられてきました。

なんだか干支のことって、正月を過ぎるとあっ!という間に忘れちゃいますが、自分で手間暇かけて作った干支ですから、きっと1年間、あなたの生活の側で存在感を発揮してくれるはず。つまり1年間ずっと、たくさんの福を呼び込んでくれるんじゃないですかね。

新年を迎える準備として、今年1年を振り返りながら、来年の”福”を願って干支飾りを作ってみる時間はきっと豊かな時間になるはずです。

皆さんのご参加をお待ちしてます!