能登応援!拭き漆チャリティワークショップ@神楽坂ストア
この度の能登の震災で被害を受けた皆さまに、こころよりお見舞い申し上げます。
支援の輪が広がっていますね。自分達もできることで支援をしたいと思います。
てならい堂は、きたるべき輪島塗の復活の日に向けて、漆器の魅力、器の魅力を伝えていくことで、能登のつくり手を応援していこうと思います。
ついては、仲間たちの協力を得まして、拭き漆のチャリティワークショップを開催します。
漆に思いを馳せる、漆器の未来に思いを馳せるというやり方で、能登を応援してみませんか。
今回のワークショップでは売上の全額を、能登の復興に向けて寄付します。皆さまのご協力をお待ちしています。
さて、拭き漆のはなしです。
“拭き漆”の器と言われても、あまり馴染みがないと思いますが、私たちが漆の器と言われて最初に想像する”塗り物”の器と比べて、ずっとカジュアルで、実は自分でも作れてしまうんです。
漆は100%天然のものでありながら、道具の硬さや防水性を増し、木の器はもちろん、家具や家などを長持ちさせるための塗料として、古来から日本で使われてきました。
一般的な“塗り物”と言われる器は、何度も何度も漆を厚く塗り重ねることで、丈夫さとツヤを出していきますが、拭き漆は、一度塗った漆を拭き取って、木に浸透させながら何度も塗り重ねていく技法です。拭き取るので薄く仕上がり、元の木目がそのまま活かされ、木地の風合いを楽しむことができます。
てならい堂が“拭き漆”をいいなと思うポイントは、そのカジュアルさ。重すぎず、気軽な感じで、けれども天然塗料としての実力を存分に発揮してくれます。
木の塗料として一般的なのはウレタン塗装でしょう。ウレタンは平たくいえばプラスチックの一種です。せっかく木の器なのに、表面はプラスチックかーと思わなくもない。てならい堂は、自然素材原理主義ではありませんが、できるならば、自然のものを選びたいと思います。理由はそれだけでも十分じゃないでしょうか。
それに、使いごちの良さ、特に口当たりの良さはやはり漆の仕上げにはかなわないですしね。
そんな拭き漆を自分でやってみよう、というのが今回のワークショップです。
塗って拭き取って、乾かしてまた塗って、という繰り返しですので、一日では完成しません。4〜5回くらいを目安に塗り重ねると十分な強度になるはずです。
今回は1回で漆の扱い方から塗り方を学び、お家で続けてご自身で完成させましょう。
2回目以降は同じ作業の繰り返し。とは言っても、これでいいのかなと思うことはあると思いますので、メールにて質問を受け付けますので、ご安心くださいね。
自宅で2回目以降をやっていただくのに、必要な道具一式をお渡ししますので、残った漆で箸やスプーンなど、拭き漆のアイテムをどんどん増やすこともできますね。
教えてくれるのは、てならい堂の金継ぎ教室も担当してくれている松本真奈さん。様々な伝統工芸展で受賞歴もある、新進気鋭、凄腕のつくり手さんですが、とっても物腰柔らかな素敵な先生ですよ。
輪島にも漆仲間がいる松本さんは、今回はチャリティということで、無償での講師を申し出てくださいました。
そして拭き漆を施す木のお皿は、てならい堂ではまな板のWSでお馴染み、岐阜のWoodpeckerさんから寄贈いただきました。福井さんもまた、輪島につくり手の仲間がいます。
「節や木目に”味”があって、通常商品とは別に販売しているお皿があるので、もし使えるようならば」と無償でご提供いただきました。ありがたく使わせていただきます。
お二人とも、本当にありがとうございます。
拭き漆を自分でできるようになる。これは、なかなかできない体験かもしれません。ひとりでやると漆かぶれも心配ですしね。(かぶれについては、参加の注意をよーくご確認ください。)
そしてそして、このワークショップのポイントは、今後のお手入れが自分でできるようになる、とういことではないでしょうか。
塗り物の器に比べてカジュアルな分、毎日使って洗っていると、薄い塗膜が徐々に剥がれていくはずです。けれど、そもそも自分で塗った漆ですから、いつでも自分で塗りなおすことができますよね。
塗り直すことができる、これが漆の魅力のひとつだと思うんです。
漆に触れる人が増え、漆の魅力を知る人が増え、そうやって日本の漆器の業界が盛り上げながら、能登のつくり手たちの復活をみんなで心待ちにしたいと思います。ぜひ、皆さんもご一緒に。
会場:
tenaraido kagurazaka (s)store
東京都新宿区矢来町118 千種ビル 2F
東西線 神楽坂駅 より徒歩1分
都営大江戸線 牛込神楽坂駅 より徒歩7分
※神楽坂通り沿い、1Fが【BAR&CAFFE M’S】さんになります。