自分の好きな色で染めたタペストリーをいつでも見えるところに飾ってみる、トートバッグの代わりに、自分の染めた生地でつくったあづま袋でおでかけしてみる、、、

それだけで自分の機嫌が良くなったり、思い出が蘇って、ふふっとなれたり。染めもので自分の好きなものをつくれたら、素敵ですよね。

けど、楽しい染め物もだんだん欲が出てきて、「他の染め方をやってみたい」とか、「もっといろんな色を試したい」とか、「思うままにに染めてみたい」ってなりますね。笑

そこで。「好き放題に染める。」そんなよくばりな名前がついたワークショップを開催します。

今回は引き染めと挿染めという2種類の染めをじっくり体験。あらかじめ市松模様に糊が置かれた生地に、染料も数種類の中から選んで染めていくので、出来上がりは十人十色。”染める”ことが好きな方、自由に愉しみたい方におすすめです。

もちろん自分の自由に染め上げられる体験なので、初めての方もお子さんでも楽しめますよ。

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130cmの大きな布なので、完成したら壁にかけてタペストリーとして飾れたり、テーブルやインテリアのアクセントにぴったりです。

もちろん、カットして小物として使うことも。ご希望の方向けに、今回染めてもらった布を使って、あづま袋をつくる和裁ワークショップを12月に開催します。染めと和裁を両方体験してみたい方は、ぜひ参加してみてくださいね。

場所は、江戸の染めの産地、新宿区落合で100年に渡り反物を染めてきた工房「染の里おちあい」。実際に職人さんたちが反物を染めていく”引場”という場所で、2種類の染め作業をします。

部屋の端から端まで、皺が寄らないようにピンと張られた反物が吊られている空間です。まさに反物の天の川。

部屋の端から端まで、皺が寄らないようにピンと張られた反物が吊られている空間です。まさに反物の天の川。

今回の体験のポイントは、予め生地に市松模様(オリンピックのロゴにも使われた格子柄ですね)の糊が置いてあること。つまりこの糊おきされた部分には色が入りません。

その分、仕上がりの色の入り方イメージするには想像力が必要。職人さんなら難なく、なんですけどね。けど難しいけど安心してください。このイメージの難しさが、「思ったのと違う偶然の面白さ」を演出してくるんです。

体験はまずは引き染めから。4色の中からベースとなる染料を選んで、刷毛を使って染めます。そして乾燥させてから、次は挿染めです。10数色の中から好きな染料をその場で濃淡調整しながら、細い刷毛で色を挿していきます。色の組み合わせも柄の付け方も、迷ってしまうほど自由自在な上、市松模様という波乱要因があるので、仕上がりは本当に洗ってからのお楽しみです!

職人さんは約200色の原染料からいくつかを選び、調合して独自の色を作り出していて、代々受け継いでいる色のレシピは3000色ほどあるそうです。

職人さんは約200色の原染料からいくつかを選び、調合して独自の色を作り出していて、代々受け継いでいる色のレシピは3000色ほどあるそうです。

そのあとの工程として”蒸し”と”洗い”が必要なのですが、今回は染めにじっくり時間をかけたいので、おちあいさんに2つの工程をお願いして、後日みなさんのもとに出来上がった布をお送りします。

ちなみに”蒸し”は、染料を完全に浸透・定着させるため、蒸し箱という大きな箱の中で高温で蒸していく工程。”洗い”は水元という場所で、市松模様におさえていた糊を落とす工程です。

そして、ご希望の方には、自分で染めた布で、さらに和裁を学びながらあづま袋をつくるワークショップも予定しています。和裁を教えてくれるのは、現役の仕立屋さんによる和裁ユニット「ツヅクキモノ」さん。

職業として着物をつくる傍ら、その着物がずっと続くことを願って、和裁教室や着物を広める取り組みを、長く続けています。

あづま袋ワークショップは全2回。1回目は基礎である運針を、2回目にあづま袋を仕立てます。初めての方も安心です。

あづま袋ワークショップは全2回。1回目は基礎である運針を、2回目にあづま袋を仕立てます。

染めも和裁も、繊細かつ根気のいる作業。染めを学び、和裁を学び、体験したあとは、街やお店で出会う染めものへの見方が変わるかもしれません。

染料の匂いや刷毛の感触、五感を分段に使って、没頭して作業する時間を体験してみてください。