「初めての金継ぎ」やってみませんか?2019春。
てならい堂は、くらしを少しだけていねいにする選択肢が、もっともっと増えたらいいと思っています。
なんでもすぐ買える時代ですが、”壊れたものは捨てる”だけでなく、直してじっくり長く使うという選択肢があったら素敵ですよね。だから、壊れた器に新しい命を吹き込む”金継ぎ” が、気になっている人も多いのではないでしょうか。
けれども、 金継ぎ教室って「なんだか敷居が高そう。」 「怖い先生が出てきそう。」(笑) 「そもそも、金継ぎって何て読むの?」(きんつぎですよ。) なんて声をたくさん聞きました。 というわけで、そんな”初めてのみなさま”が怖がらずに参加できる(笑)、わかりやすい金継ぎ教室を目指し、「初めての金継ぎ」と題した、全7回のワークショップを東京・神楽坂と吉祥寺(追加になりました!)で開催いたします。
割れてしまったかわいいお皿を持ち寄って、初めて同士みんなでわいわい金継ぎしてみませんか。
金継ぎという言葉を聞くと、金を使って繕っている器を想像するかもしれませんが、金継ぎのベースは”漆”です。漆で接着剤をつくり、隙間を埋めるペーストを作り、線を描き、そうやって何度も漆を使って仕上げていきます。最後の仕上げに金などの金属の粉を蒔くので金継ぎと呼ばれますが、金粉を蒔かずに漆だけで仕上げることもできます。
ところで、世の中には敷居を低くし過ぎてしまった”なんちゃって金継ぎ”が溢れているそうです。”なんちゃって”では本来は漆を使うところ、接着剤を使っちゃいます。食べ物をいれる器に接着剤、って心配ではないのかな。
初めてだからこそちゃんとしたプロから本物を学びたい、と思うのがいつものてならい堂のやり方です。基本さえ知っていれば、その先で”なんちゃって”でもなんでも、自分で選択できるのがいいと思うんですよね。
昔ながらの金継ぎは天然の漆を使っての作業なので、何度も漆を使ったり乾かしたりで、思った以上に時間が掛かります。「初めての金継ぎ」では全7回で作業を仕上げ、最後は全体の復習も行います。「後半の作業が進むにつれて、最初の作業を忘れてしまった!」「なんとなく記憶しているけれど、細かいニュアンスを忘れてしまった!」などなど、最終回で沢山の”?”を解消してください。
土曜日(と月曜日)のクラスは若いのに大きな”うるし愛”を持ち、漆のアクセサリーの製作でも人気の梅沢さんに午前午後の2回を担当していただきます。
そして日曜日は、てならい堂の金継ぎを監修してくれている天野さんが担当です。
「はじめての金継ぎ」では器の主な欠損である『割れ』と『欠け』の、2種類の作業を同時に行っていきます。
『割れ』 は、割れた状態のことです。 ぱっかりと二つに割れてしまったり、沢山の破片になってしまったり、 金継ぎをする上ではこの割れた破片がすべて残っている状態が必要です。 この破片を糊漆で接着していきます。
破片が多ければ多いほど接着の作業が難しく、1箇所でもずれてしまうと やり直しになってしまいます。 このため『初めての金継ぎ』では割れの破片を本体を含め3片までとしています。また3片以内でも、コップの持ち手や厚みの薄い器の割れは、糊漆をつける接着面が少なく教室内の回数では接着が難しい可能性があるため、対象外としています。
これまでも「このコップの持ち手を直したい!」「どうしてもバラバラに割れた器を直したいんです!」という熱い思いをお持ちの方にも、この条件でご納得いただいてきたのですが、みなさん一度やってみると、「やっぱり、いきなりあれを直すのは無茶だったね。」ということでご理解いただけています。ですので、どうか信じてください。笑
そうした複雑に割れてしまった器をお持ちの方は、金継ぎのやり方に一度慣れた後で、おうちで作業できる金継ぎキットもご用意していますので、ぜひ挑戦してみてください。仕上げも二回目の方がきれいにできる様になりますので。
また、器が大きければ、作業面積が増えますから、それだけ時間がかかります。初めての方は、やはり思うように作業を進めることが難しいので、サイズについても、直径15cm以内とさせていただいてます。また、漆がついた状態の器は重ねることが難しいため、サイズの制限は、保管場所の都合でもあります。
一方の『欠け』とは、欠けている状態(破片がない)のことです。欠けた部分を漆を使って、埋めて繕います。こちらも割れ同様に15cm以下の器を対象としています。
『割れ』も『欠け』もこちらで器を用意することが可能(有料)ですので、条件に合う器をお持ちでない方も、金継ぎをやってみたいという方は遠慮なくどうぞ。
なお、木製品、ガラス製品はそもそもの繕い方が異なり、「初めての金継ぎ」の趣旨からずれますのでこちらも、てならい堂の教室では取り扱いしておりません。
本物の金継ぎは、時間はかかりますが、その分きっと漆が生きていることを実感してもらえるはずです。そして何より、作業自体はシンプルですから、7回の教室を終えたときには、もう今後はいつでも自分で繕えるようになっているはず。”自分で直す”という選択肢が手に入ります。
金継ぎに興味のある初めてのみなさん、東京・神楽坂または吉祥寺に集合ですよ。
場所 : |
土日)にっぽん てならい堂(ひみつの小店) 月)吉祥寺カフェORIDO |
日時 : |
2019年1月〜4月 ( 土曜日全7回コース:担当梅澤先生@神楽坂ひみつの小店 ) ( 日曜日全7回コース:担当アマノ先生@神楽坂ひみつの小店 ) ( 月曜日全7回コース:担当梅澤先生@吉祥寺カフェORIDO) ※各回80分〜120分。会場は10分前からオープンします。 |
定員 : |
各回6名 |
参加費 : |
4,500円(税別)/1回 × 全7回 |
内容 : |
「はじめての金継ぎ」 |
繕う器について: |
「はじめての金継ぎ」 ※大きな器や多くのかけらに割れた器は、作業にとても時間がかかりますし、難易度も高いです。このため、初めての金継ぎでは、この様な制限を設けさせていただいています。 ※お申込み後に一度、メールにて器の状態を確認させていただきます。 |
持ち物: |
割れた陶器、筆記用具、エプロン(布に漆が付くと取れませんので汚れても大丈夫な服装)をご持参下さい。 |
かぶれについて: |
肌につかないよう手袋をご用意しますが、過去に実施した教室では、気づかないうちに漆に触れて、かぶれた方もいらっしゃいます。くれぐれもご注意ください。 |
その他注意事項: |
※現地までの交通費等はお客様ご自身でのご手配、ご負担となります。 |
(土曜日・月曜日担当)
梅沢瑠美子
1985年生まれ。
神奈川県在住。
2010年東北芸術工科大学 工芸コース漆芸専攻 卒業。漆がもっと身近なものになればと活動する中で、現在は金継ぎをしながら、漆の箸やアクセサリーなどの小物を中心にものづくりをされています。
(日曜日担当)
アマノシトミ
1981年神奈川県生まれ、神奈川県在住。2005年武蔵野美術工芸工業デザイン学科木工専攻卒業。日用品の開発と卸を行う(株)東屋在職中に金継ぎを独学ではじめる。その後伝統工芸品の会社などに勤務の傍ら、漆塗の職人や蒔絵師の元で漆と金継ぎの勉強を積む現在は金継ぎをしながら、漆や木を使ったものづくりをされています。
Instagram:shitomiamano
blog:http://amano4103.hatenablog.jp/
(月曜日会場)
吉祥寺 カフェORIDO
ORIDOは、フードスタイリスト・江口恵子さんが立ち上げたふたつめのブランド。毎日食べたくなる、まっすぐおいしい料理とスイーツを“作る”と“食べる” 両方の側面からさまざまなカタチで提案している素敵な空間です。
教室では使用する道具はご用意いたしますが、別途アマノさん監修の「金継ぎキット」もご用意しております。
ご希望の方には、ご自宅でも復習できる充実の23点を木のお道具箱にいれて販売いたします。
(https://www.tenaraido.jp/dogu/products/detail/34)19,440 円 税込
[キット内容]1.テレピン(250ml)缶入り/2.地の粉/3.砥の粉/4.コクソ綿/5.菜種油ボトル/6.マスキングテープ/7.生漆/8.黒呂色漆/9.真綿/10.錫粉/11.金の消粉/12.滑り止めネット/13.お掃除用ヘラ/14.手袋/15.絵皿/16.ガラス板/17.プラスチックのヘラ/18.目打ち/19.彫刻刀/20.筆/21.毛棒/22.竹ヘラ/23.耐水ペーパー#800 #1000