お香入門の入門。焚きしめる冬の香り編
冬至を過ぎて、日が増すごとに夜の時間が短くなりはじめますが、冬はむしろこれからが本番。
少し慌ただしい年末年始を過ぎ、穏やかな気持ちで新しい年のスタートを切るべく、古来の日本の香りの力を取り入れてみてはいかがでしょう。
今回のお香ワークショップでは【冬の薫物、練香をつくる】をテーマに、お香の種類の一つである練香(ねりこう)を作ります。
あなた自身が作った練香で、心を落ち着けて、こころよく一年の計をスタートさせてください。
日本のお香の歴史は長く、595年に現在の兵庫県淡路島に香木が漂着したことから始まったとされています。平安時代になると、貴族階層を中心に「香」に対する関心が高まり、彼らの日常生活に浸透していったのだそうです。
今回のワークショップで作るのは、まさに平安時代の貴族たちも作っていた薫
薫物とは、香料の粉末を調合して良質のはちみつや
それぞれが作った薫物は、まるで香りを纏うように衣服に焚き染める「衣香(えこう)」や、空間に香りを漂わせる「空薫物(そらだきもの)」として、彼ら暮らしのなかで使われていました。
そんな薫物ですが、季節に合わせた代表的な6種類の香りを特に「六種の薫物(むくさのたきもの)」と呼んでいます。その中のひとつ、冬の香りとされているのが「黒方(くろぼう)」。この黒方を調香し、練香にして仕上げます。
「冬の香りは黒方です。」…そう言われても、一体それがどんな香りなのか、すぐに分かりますか?六種の薫物の中にも、梅・蓮・菊など、実存する植物からインスピレーションを受け作られる香りもあるのですが、黒方とは、実際にはカタチのないもの。それを“冬”というキーワードのみで想いをめぐらせ、自らの体験や記憶や想像をのせて香りを組み合わせ、練香にまとめあげていくというのですから、かなり高度な香り遊びとも言えるのかもしれません。
今回は、まずは平安時代の薫物の記録から「黒方」をまずは一緒に作ります。平安時代の記録だなんて言われると、ワクワクしますよね。その後、皆さんひとりひとりの想像力を働かせて、黒方を作ってもらいますよ。
ワークショップの最後には、自分で調合した香りにネーミング(香名)をします。名前をつけることで、その香りが自分にとってきっと素敵な意味を持ち始めるのではないでしょうか。
練香を炊くために必要な灰と炭もお土産にお付けしますので、おうちで繰り返しその香りで、心を落ち着けてもらえたらと思います。
同じ原料を使っても、お香のタイプそれぞれで、香りの仕上がりは違ってきます。ワークショップで一緒になったお隣の参加者とも、きっと違うはず。香りの好みの違いも、お互いの平穏の違いも、みんなで愉しんでしまいましょう。
平安時代の彼らは、香りを愛でる“香り上手”だったんじゃないかな、そう思います。
皆さんからどんな【冬】が生まれるのか、とても楽しみです。
日本人は古くから「お香」というかたちに、「やすらぎ」や「心の平穏」を求めました。そう、日本の「お香」の真ん中にあるのは、「心を落ち着ける」ことなんだと思うんです。
とかく心がざわつくことも多い日々の生活。このワークショップは、自分の嗅覚を使って、自分の心とつながり、自分の好きな香りを探す旅のようなもの。
旅へといざなってくれるのは、天然香料のみを原料とし淡路島の職人による手作業で丁寧に作られたお香を扱うブランドJuttoku.です。Juttoku.さんは、日本の香文化を「自然に寄り添いながらその恵みを暮らしに取り入れてきた、日本人の心の豊かさから生まれたもの」と考えています。
嗅覚は、視覚や聴覚以上に記憶との結びつきが強く、五感の中でも最も原始的かつ本能的な感覚なんですって。だとすれば、人は自分の”嗅ぐ”力をもっと使った方が良いのかもしれませんね。
そんな記憶と本能に直結する香り。昔から日本人は、自然の中にある香料を自らの手で調合し求める香りを作って、それを自分自身の心を落ち着かせるために、使っていたのだそうです。私たちは本来、そういう力を持っているのかもしれません。ただ今は、それをあまり上手く使う機会がないだけで。
日頃ちょっとさぼってる嗅覚を駆使して、本当に好きな香り、こころから落ち着ける香りを、みんなで探してみませんか。
内容 : |
「六種の薫物」のひとつである「黒方」の香りを、juttoku.さんに習いながらまずは古来のレシピに従って、その後は自分自身で調香し、練香にして仕上げます。ご自身で作った香りには、最後に香名を名付けます。おうちで焚くための灰と炭付き。 |
日時 : | 2020年1月27日(月) 19時〜21時 申込締切:1月25日(土) |
定員 : | 8名 |
場所 : | にっぽん てならい堂(ひみつの小店) 東京 神楽坂。新宿区横寺町30(眼鏡屋さんの2F) |
その他注意事項:
※現地までの交通費等はお客様ご自身でのご手配、ご負担となります。
※準備の都合上、キャンセルは1週間前迄とさせていただきます。
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