国産の麻でつくる、しめ縄飾りワークショップ
毎年、あっという間に過ぎていくなぁという印象があります。
新しい年を迎える前の準備として、また一年の締め括りとして、自分で作る、しめ縄飾りのワークショップを開催します。
一般的には稲藁で作られることの多いしめ縄ですが、このワークショップでは国産の麻(精麻)を使ってしめ縄飾りを作ります。
一緒にしめ縄の意味を学び、穢れを祓い、心和やかにする力があると言われている麻をつかって、年神様をお迎えする準備を整えませんか。
材料に使うのは貴重な国産麻の精麻。麻は、古来より生活に根付いた植物として重宝され、暮らしに欠かせないものでした。今も神聖なものとして、神事慶事の場で用いられています。
教えてくださるのは、古くからしめ縄問屋として麻を扱い、長く活動されている創業110年の麻と注連縄問屋三代目の江藤富士江さん。
植物の特性を最大限に生かして職人が何百年と続けてきた技を、これまでもそうだったように、これからの世代へと粛々とつないでいくのがご自身の役割であると仰います。
江藤さんと一緒にしめ縄飾り作りを通して麻に触れ、麻のお話から麻を知る時間を一緒に過ごしていきましょう。
麻はかつては盛んに栽培されていましたが、化学の繊維が安価で広がって需要が減り、手間隙かかる麻の農家さんも減少していきました。それゆえ取れる数が少なく、国内産の麻は希少価値の高いものとなっています。
残念ながら、現代では麻に触れる機会はほとんどありませんが、古来から麻葉文様として表現され、今日でも広く親しまれています。
麻は成長が早く、真っ直ぐに伸びて大きく育つことから、麻の葉柄には子供の健やかな成長を願う想いが込められていたり、厄除、魔除の意味もあり、産着に用いられるなど様々なシーンでよく見かける図柄ですね。
使用する国産の麻(精麻)は、神事でも用いられます。退魔につながり、穢れを祓い、浄化し、心和やかにする力があると言われています。そして、しめ縄の役割は、神聖な区域とその外とを区別するためのもので、日々の八百万の神々様への感謝を現したものでもあります。
現代に生きる私たちはともすると、しめ縄を神聖なもの、宗教的なものとして、自分の生活と分けて考えてしまうけれど、江藤さんは「こうした神社での役割よりも、本来は生活の中での八百万の神への感謝としての形こそが基本です」と教えてくれます。
日々の生活の中で神様への感謝がかつて当たり前にあったなら、それを感じることが減っているということは、私たちが生活の中で五感を使う機会を減らしてしまったことと、もしかして関係があるのかも、とてならい堂は思いました。
自分自身と、自分の身の回りを整えることを意識する人は増えていると思いますが、その先にある「整え」は五感を整え、身の回りにある神様的なものへの感謝をも調えることかもしれません。
古来より大切にされてきた麻で、「感謝や祈り」を込めて一緒にしめ縄飾りを作る時間を過ごす中で、知っているようで全く知らない「しめ縄の意味」を、この機会に一度、自分なりに捉え直してみませんか。
会場は神楽坂・虚空庵さんをお借りします。皆さんのご参加をお待ちしています。
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