竹皮に触れて、次世代につなぐ。竹皮編みワークショップ、入門編。
ぶどうの蔓やあけびの蔓、そして竹などの自然素材を編んで、かごを作るような暮らし。自然の中でゆったりとした時間が流れるそんな暮らしに憧れがあります。
とはいえ、相応の熟練度が必要となるものですから、まずは自然の素材に慣れることが第一歩。
そんな初心者に向けてうってつけなのが、竹の皮を細く割いて、針を使って巻きながら編み込んでいく竹皮編み(たけかわあみ)です。もちろん腕に覚えのある方は、相応のものをつくっていただいて結構です。
実は一度廃れかけてしまった、竹皮編み。ブルーノ・タウトがデザインした竹皮編みの製品を編んでいた最後の一人の職人から受け継いだのが今回、教えてくれる前島さん。
ブルーノ・タウトや日本の手仕事の話を聞きながら、希少な竹皮編みを次の世代につなぐ、、、そんな意味も込めたワークショップなんです。
実は、昭和30年〜40年頃には約400人いたと言われる竹皮編みの職人も、度重なる戦争や高度経済成長の波に押され、一時途絶えてしまいました。
最後の一軒だった竹皮編み職人のところへ行って学び、技術を受け継いだのが、今回教えてくださる前島美江さん。
そしてこの風前の灯火となってしまった竹皮編みの工芸指導をしていたのが、1933年に日本に来日したブルーノ・タウトなんです。
タウトが日本を離れるまでの間に、数多くの工芸品をデザインしたそうですが、今も残っているのは竹皮編みだけなのだそう。
ブルーノ・タウトをご存知でしょうか。ドイツの建築家として世界的に知られていますが、若い時に絵描きになりたかった一面や執筆活動、工芸指導なども行っていた、多才な芸術家です。
日本でのタウトは、書き溜めた原稿をまとめた『日本美の再発見』という著書によって、「日本美を発見した人」あるいは「昭和初期の日本文化の証言者」としてその名を知られている存在。
3年半ほどの日本滞在中最も長く過ごした群馬県の高崎市で、工芸品のデザイン指導を行なっていた時に雪駄(草履)の職人と出会ったことが、竹皮編みが生まれるきっかけになっているんです。
消えてしまってはもったいない、この素敵な竹皮編みを、私たち自身の手で繋いでみませんか。
今回使用する素材は、群馬県赤城山で採取されたマダケの竹皮。様々な竹皮の中でも質が良く、落ち着いた色合い。ちなみに竹皮には殺菌効果もあるので、食材との相性がいいんですって。
まずは、竹皮を水に浸して手の温もりを伝えるように握って水分を行き渡らせれば、下準備はOK。
その後は、針を使って竹皮を細く割いていく作業。細く割いた竹皮を芯にして、そこに幅のある竹皮を巻きながら編み込んでいきます。この編み方にもいろいろな手法がありますが、今回は最も基本となる円形の編み方からスタートします。
人によって作業スピードも違うので、1日でできる大きさは人それぞれ。いきなりカゴを!と意気込む気持ちも分かりますが、おおよそコースターサイズのものができる想定です。
基本は1日のワークショップですが、腕に覚えのある方なら、もっと編み進めることもできると思いますし、二日連続で参加すれば、さらに編み進めてカゴのようなカタチにしたり、鍋敷きや座面にするなど、全ては手の速さ次第です。
追加で竹皮を購入できるので、ご自宅で編み進める事もできますよ。(長丁場になるので、都合合わない方は、途中で抜けていただいてもOKです。)
針を使えるのであれば、小学校中・高学年くらいのお子さんでも体験できます。1日かけて行うので、途中で休み休み、それぞれのペースで無理なく進めていきましょう。
1時間ほどのお昼休憩をはさんで、再び手を動かしていきましょう。お昼は神楽坂ランチを楽しんでください。「てならい堂 のいえ」の1Fのレストラン「のいえ」さんのランチもおすすめなので、(やっていれば)ぜひ試してみてくださいね。もちろん、ご持参頂いてOKです。
てならい堂が今、掲げている、子供の世代につなぐために「消費をやめてこころよい生活をすること」を、50年近く前から実践していた尊敬すべき方です。
竹皮編みの手仕事を伝える活動と共に、タウトを掘り起こす会も立ち上げているという前島さん。タウトの美学や、タウトに関わってきた方々の話、そして秋岡芳夫さんのお話など、竹皮に触れ、リズムよく手を動かしながら日本の手仕事や生活の美しさの原点に触れるお話をお伺いしたいと思っています。
きっとそのお話は、きっと私たちが次の世代につないでいくために、必要なことなんだと信じています。
※6月3日(金)10時迄はサポート会員優先申し込み期間となります。
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