木のスプーンって、その温かみと食べ物の味を邪魔しないところが良くて、一度使い始めると手放せなくなる人も多いみたいです。

そんな木のスプーンの中でも、滑らかな口当たりで、持ち手も手に馴染んで、何よりも見た目にかわいい!スプーンを作っている、人気のスプーン作家miyazonospoonさんにスプーン作りのアレコレを聞きながら、一緒に削ってスプーンを仕上げるワークショップです。

今回は、宮薗さんがつくった型をもとに自分で削ってスプーンを仕上げ、最後は完成したスプーンを使ってデザートを食べますよ。

つくるスプーンは2種類から選べるので、お好みの形や難易度の方を選んで参加してくださいね。

<miyazonospoon、人気なんです!>

宮薗さんのスプーン、すごいいいんです。滑らかな口当たりで持ち手も手に馴染む。使うとその良さがわかるのはもちろんですが、見かけもとっても洗練されている。そんなスプーンのプロから、スプーンづくりについて習うことができる機会です。

ワークショップでつくれるスプーンは、午前と午後で種類が異なります。午前の回は東京多摩のヒノキ材を使ってデザートスプーンをつくります。ゼリーやプリン、アイスなどの甘いものにどうぞ。

午後の回では六甲山のヒノキ材でスープスプーンをつくります。スープはもちろんのこと、ヨーグルトやカレーなどにも日々使えますよ。

午前と午後で少し工程の数が変わりますが、どちらも最後はクルミ油で仕上げます。そしてこのワークショップは、食べるところまでというのも“ミソ“です。使うことで見えることもあるし、つくってもなんか勿体無くて使えないとならないために。笑

デザートはなにがでるかはお楽しみ。アレルギーがある方は事前にお声がけくださいね。

<作家品質。今回は失敗しないスプーンをつくります>

宮薗さんのつくるスプーンは、刃物で形を整えて4つの種類のやすりがけを施していく、というのが基本工程。工程それぞれのポイントを宮薗さんに聞きながら、木の質感をしっかり感じて進めてください。

工程の中では、すくう部分を削るのが一番難しいのですが、スプーンはすくう部分が道具としての要。そこでそこは宮薗さんに予め仕上げをお願いしてあります。

全部を自分でつくるのが理想ではありますが、失敗してもそこだけは担保されていれば、使えるスプーンになります。せっかくつくっても生活で使えなかったら勿体無い。ということで、今回はプロにお任せしましょう!

器用さに自信のない人でも大丈夫!よい素材を使って、途中まで宮薗さんの手で下仕上げもきちんとされているスプーン。だからちょっとだけお値段は張るけど、その分、質が高くなることは間違いないんです。

そして、そこに自分好みの削り具合を加えていく。きっと愛着のもてる一品になるのではないかと思います。

<スープスプーンとデザートスプーン。どちらを作りますか?>

午後開催のスープスプーンづくりの方では、すくう部分以外の削る作業からスタートして、裏面と持ち手部分を削って4種類のやすりがけをします。

すくう部分を宮薗さんに事前に準備してもらっていても、刃物を使い工程が多いので作業時間は長めになります。木を刃物で削る大変さを体感してみてくださいね。

一方の、午前開催のデザートスプーンの方は1回目のやすりが終わっている状態からスタートして3種類のやすりがけをして仕上げます。手先の器用さにちょっと自信のない方でも心配ありません!お子さんでも参加できるので、親子で参加もおすすめですよ。

刃物は使いませんが、それでも結構やりごたえはあると思います。やすりがけをそんな何回もするの?と思われるかもしれませんが、なめらかな舌触りや好みの肌触りの持ち手に近づけるために、必要な工程です。やってるうちに、感覚がどんどんとぎすまされてきて、やすっているだけなようですごい細かいところにこだわるようになっていきます。

気の済むまでやすりで仕上げるって、なかなかはまります。どうぞ満足するまで仕上げてくださいね。ちなみに、使ったやすりなどは持って帰れるので、まだ削りたい人は帰ってからも引き続きどうぞ。

どちらのスプーンもやすりがけが終わったら、最後はくるみを潰してくるみ油で仕上げをして完成。ちなみに今回のワークショップではやりませんが、どちらのスプーンも、できる人は拭き漆で仕上げるのもいいですよね。(てならい堂では拭き漆のワークショップも別途実施してるので、興味がある方はこちらもどうぞ。)

デザートスプーンとスープスプーン。お好みと作業のしやすさに応じて好きな方を選んでください。もちろん両方ご参加も歓迎です。

<スプーン作家さんのこだわり>

今回の講師であるmiyazonospoonの宮薗さんは、ものづくりも自分の暮らしも楽しんでいる、とても自然体で素敵な作家さんです。

大学で木工を学びOLを経て作家になった宮薗さん。作家活動を始めた当時、特別な機材や場所がなくても今すぐつくれるものを、ということで最初にスプーンをつくり始めたことをきっかけに、10年以上スプーン一筋でものづくりをされてます。

だいぶお忙しくて、てならい堂がワークショップをご一緒させてもらうのも随分と久しぶりです。

今は展示会で販売するスタイルに絞ってスプーンをつくり、1ヶ月で約100本ほどのスプーンをつくるそうです。展示販売会では、同じ種類のスプーンでも全部微妙に持ち手の角度などを変えたりしているんですって。

活動を始めた当初のお客さんからの一言で、人それぞれにスプーンの持ち方や持ちやすさがあるということに気づいたからこそ、きちんと出会って、ちゃんと触ってもらって、納得して買ってもらいたいし、自分もお客さんとちゃんと話をしたい。そんな想いから今のようなスタイルに辿りついたところに、宮薗さんの哲学がある気がします。

<一見の価値あり!つくり手の笑顔!>

形に対する追求も止まらないようで、年に1,2本は新しい新作をつくっているそうです。

「0歳から大人になってもずっと使っていて欲しいし、スプーンは誰でも使えるもの。だからこそ、スプーンは面白い。そして、食べ物の数だけスプーンがあったら、すごい楽しいなと思う。」

そんな風に話す宮薗さんはほんとに楽しそう。とにかく宮薗さんの笑顔、素敵なんです。そこだけでもファンになると思いますよ。笑

キットを買って自分でつくるのとも違って、つくり手さんの話を聞きながら、実際に手を動かして、手に入れる。今回はワークショップの様で、じっくりと聞くおはなし会の様でもあります。

これまでもさまざまなスプーンをつくってきた宮薗さんに、今までどんなスプーンをつくったことがあるか、ぜひ当日直接聞いてみてくださいね。

<木のスプーン沼の秘密を>

赤ちゃんからおじいちゃんまで、ずっと使える道具であるスプーン。そして、箸やフォークといった他のカトラリーと違う点は、がっつり口の中に”直接”触れる道具であるということ。そんな話を宮薗さんから聞いた時に、はっとしました。

持ち手の感覚はもちろんのこと、直接舌に接触するということで、五感にも大いに影響する道具。だからこそ、より触れた時の温度や舌触りが重視される気がします。小さな子どもなら尚のことですよね。食べものを一番おいしい状態で食べたいと思った時、これは重要な要素の一つにもなります。

なにかを食べるとき、「なにを」「誰と」「どこで」食べるか?それらは食事の大切な要素です。そこに、「なにで」食べるか?ということも重要な要素として加わるのだということを、宮薗さんから学びました。

スプーン、奥が深いです。スプーンの世界に興味を持った方、いつでも使える生活に馴染む道具をつくってみたいという方、ご参加お待ちしてます!当日は、五感を使いながら、直に木のスプーンのよさを感じてみてくださいね。