つくり手とつくる“いちょうのまな板/山桜のカッティングボード”ワークショップ
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いちょうの木のまな板もしくは山桜のカッティングボードを、自分で作ってみませんか。
かんななど木工の道具を使ってつくり手に習いながら自分でまな板を仕上げてもらいます。
いちょうのちょうど良い弾力が刃物を痛めないから、昔の料理人は、みんないちょうのまな板を選んでいたとか。
一方で、パンやチーズを切ってそのまま食卓に出せるカッティングボードは、硬い山桜をチョイスしています。
つくり手と一緒につくるまな板が、その後の私たちの生活を豊かにしてくれることは間違いないと思います。
このワークショップでは、普段の生活ではなかなか使うことの少ない木工の道具を使って、まな板もしくはカッティングボードのどちらかを自分できれいに仕上げていきます。
最初は、樹種と道具の特徴についてレクチャーしてもらいましょう。木の種類(広葉樹と針葉樹)と特徴、身の回りの道具に使われる樹種(箸、木べら、木皿、まな板、家具等)、今回の主役であるまな板に求められる特性などなど。そして、なぜ数ある樹種のなかから、プロである福井さんが、イチョウと山桜という材料を選択したのかを体感してもらいます。
こうした背景を学んだ後は、実際に手を動かす時間。あらかじめ下ごしらえしてもらった材料を、各自、小刀、かんな、サンドペーパーを使って角をとる作業をしてもらいます。
焼きペンで名前を入れたりと、細かなカスタマイズもできます。カッティングボードはオイルで仕上げる感動も味わってください。
そして、ずっとつかい続けるために大切な手入れ方法のレクチャーを受けて、約2時間の体験は終了します。
「大変」と思うことはあっても、「できない」ということはないです。不器用な人でも大丈夫。「自分、不器用だなー」ということが分かって、つくり手へのリスペクトが増しますよ(笑)。
つくり手とコラボで仕上げる道具。持ち帰ったその日から、台所に立つのが楽しみになること請け合いです。
今回教えてくれるのは岐阜で「つかい手に寄り添う木の道具」をつくり続ける「woodpecker」の福井さん。
福井さんに、まな板のことをこれまで色々と教わってきました。まな板は、日本料理と共に歩んできた道具ですから、相応の歴史があります。
シンプルな道具ですが、それゆえ素材の選び方がとても重要でもあります。抗菌性や耐水性、乾燥しやすさや、刃物との相性など、判断のポイントは色々。
それに応じて、ヒノキなのか桐なのか、はたまた樹脂なのかと、いろんな主張があるわけですが、福井さんは、適度に柔らかく弾力があって刃を傷めにくい”イチョウ”こそが最もまな板に適しているのではないかという結論に至りました。それは古くから板前さんや料理人がイチョウのまな板を愛用してきた理由と同じことでした。
一方で歴史の浅いカッティングボード。まな板ではないカッティングボードをどう作るべきかを、福井さんはまたまた追求します。
食卓に食材を乗せてそのまま出すためのオイルコーティングの必要性、傷が目立つのもあまり良くないこと、それからパンを切るということはブレッドナイフの様な硬い刃物に耐える必要もある、、などなどを考え、数多くの樹種の中から、こちらはイチョウではなく硬くて丈夫な”山桜”を選びました。
“なぜ”と私たちがふと感じる疑問に、つくり手さんたちはちゃんと答えを持っています。この疑問を持つことが、私たちを使ってこころよい道具に出会える様にしてくれるのかもしれません。
てならい堂は、福井さんに「昔の料理人はみんないちょうのまな板」って聞いてから、ええ!そうなの!?とひとしきり驚いたのち、「そうかもね」「そうだよね」と、まな板はいちょう一択になってしまいました。
なるほどと思いつつ、これを本当に実感するには、やっぱり触ってみるのが一番です。小刀やかんなで実際に木を削ってもらうことで、そもそも柔らかいと硬いの違いや、その柔らかさが包丁の刃に合うという意味や、五感で体感してみましょう。
それは同時に、ものづくりしている人たちの思いを体感することでもあります。きっとその道具が「誰かのために作られている」という事実に気づけると思います。
福井さんのいちょうのまな板は日本のみならず海外でも人気です。そんな世界中で評判のまな板も、最初のきっかけは奥さんへのプレゼントだったとか。素敵なお話ですよね。
「誰かのために作られている」そう感じられる道具がある生活は、私たちの生活を今までとは違うものにしてくれる。それは、間違いのない未来だと思いませんか。
そんな未来を手に入れたい皆さまのご参加をお待ちしています。